Ogaki Mini Maker Faire2024イベント足彩澳门即时盘_现金体育网¥游戏赌场
「つくることから、はじめよう。もの/あそび/ぶんか」をテーマに掲げ、2024年11月23日(土?祝)、24日(日)にソフトピアジャパンセンタービルで開催されたOgaki Mini Maker Faire 2024(以下OMMF)。前身となるイベントから数えて8回目を迎える本イベントは、地域に根差したものづくりの祭典として、すっかり定着している感じがあります。
会場に足を踏み入れると、さまざまな音が鳴り響き出展者がたくさん並びながらも、通路はゆったりとしていて、どこから見て回ろうかとワクワクします。116組もの出展者による個性的な作品の数々は、来場者の目や耳を常に楽しませてくれました。
筆者は2022年に開催されたOMMFに出展者として初参加しましたが、他の地域のMaker Faire(※)とは違う魅力があり、今度開催されたら来場者として観にこようと心に決めていました。そんなOMMFならではの魅力を出展者/来場者/運営スタッフそれぞれのインタビューから紐解いていきたいと思います。
※世界中で開催されているDIYの祭典。さまざまなものづくりをしている方が個人/企業問わず出展して、来場者を楽しませます。日本ではほかに東京、京都、つくば、刈谷、浜松、仙台などで開催されていて、Maker Faire/Mini Maker Faire/Micro Maker Faireと規模によって名称が異なります。地域によっていろいろな特徴があるので、世界中のMaker Faireを訪ねている方もいます。
出展者が感じるOMMF
まずは出展者にOMMFの印象や展示について聞いてみました。
出展者A 「OMMFは初めてきたんですけど、Miniって名前がついてるほどMiniではないな、という印象でした。面白い作品がいっぱいあって見て回るのも楽しかったし、ブースに来てくれた人も結構いい話をしてくれて、来てよかったなと思うイベントでした。」
本当にMiniと言うにはもったいない規模ですよね。来場者もものづくりに親しんでいる方が多い印象なのでコメントが鋭いのかな、と思います。
出展者B 「暗いエリアがあるし、大きな音を出してもいいので他のMaker Faireよりも(他の出展者にご迷惑をおかけしながらですが)自由にできる気がします。人がそんなに多くないのでゆっくり展示が見られます。個性派な作品が多いので面白いと思います。」
常にたくさんの音が入り混じっていて、好きな音をたどると作品に出会えるという素敵な空間でした。Maker Faire Tokyoではここ数年設置されていない暗いエリアがあって、光る作品が映えるのでヒカリモノを展示したい方はOMMFに出展するとよいですね。
出展者C 「学生さんが多いので、若い発想の作品が多いなと思います。人の多さがほどよいですね。」
IAMASの学生の作品や近畿?東海地方の学生さんの作品も多く、グループで出展されている方も多いので活気がありましたね!
出展者D 「Maker Faire Tokyoで教えてもらった編み方で、QRコードを編んでみました。Maker Faireに出なかったら得られなかったスキルです!」
Maker Faireで新しいスキルを得て次のMaker Faireで発表するというのは素晴らしいですね!
出展者E 「広々として余裕がある感じでいいですね。ワークショップスペースも作れてありがたかったです!」
Tokyoではどうしても出展者の数を優先するためにワークショップエリアがたくさん確保できないですよね。今回のOMMFでは9つのワークショップが各出展者のブースで開催されて、人気のワークショップは1日の枠が開場後すぐに埋まってしまうほど大盛況でした。
出展者F 「OMMFはホスピタリティが高いと思います。東京からきていますが、出展者はソピア?キャビン(会場併設の宿泊施設)に泊まれるので助かります!安くてきれいでコンビニも近いし大満足です。」
宿泊費が安いと遠方から出展する際のハードルがグッとさがりますよね。名古屋まで高速バスで来たという出展者さんもいらして、日本各地から来やすいのも大垣の魅力だと感じました。
出展者のみなさんが口を揃えておっしゃっていたのは、会場の広さと多様な展示内容です。他の地域のMaker Faireにも出展されている方が多かったので、OMMFのゆったりとした空間は展示するのにも他の展示を見てまわるのにも心地よかったのではないでしょうか。
来場者から見たOMMF
次に、OMMFを楽しんだ来場者の声を紹介します。
来場者A 「Maker Faireになる前のイベント(Make: Tokyo Meeting)にちょっと似てます。学生の作品や学校を卒業しても作り続けている人がいたり、製品や研究だけでなく作品ぽいものがたくさん見れたのがよかったです。」
筆者もMake: Tokyo Meetingには参加していましたが、ものづくりの同人活動という感じがして、出展者同士でコミュニケーションをとれるのがいいなと思っていました。IAMASの学生の実験的な作品は印象に残りました。
来場者B 「見やすくていい!Maker Faire Tokyoはものが多すぎて、歩いているだけで何見てるかよくわかんなくなっちゃうところがある。OMMFは消化できる分量がいい。」
もちろんTokyoの良さもありますが、二日間ですべて見て回るのは難しいほど出展者がたくさんいらっしゃいます。東京ビッグサイトは景色が変わりにくいですが、OMMFは屋外、1F、3Fとまわっていく中で景色が変わるので「あの辺に気になるものがあった!」と覚えておいてまた戻ることができるのも消化しやすさに繋がっていると思います。
来場者C 「地元の大学からきました。Xで気になった作品を見にきました。初めて来たのですが、めちゃくちゃ楽しかったです!みなさん全然別のものを作られているけど、一人一人に推しポイントがしっかりあって、全然知らない世界だったけど、推しポイントをプレゼンされて自分の推しも広がりました。大学でイベント企画をやっているので参考になりました。」
はじめての参加なのに総評のようなことを言っていただきました。たしかにみんなの「推しポイント」でできあがっているのがMaker Faireですよね!ご自身のイベント企画にどうやって生かしてくれるのか、楽しみです。
来場者D(小学生)「ビスマス結晶を見たり、ゲームとかもあって、とても面白かったです。ドットで絵をかいてそれを画面で動かすやつも面白かったです。ヘボコンを見て家でロボット作ってパパと勝負したいな、と思いました!木のピタゴラスイッチみたいなやつはずーっと見ちゃいました。」
印象に残った作品がこんなにあるのがすごいです…。ビスマス結晶は何度見ても驚きがありますよね。「おうちで作りたくなった」というのがMaker Faireに携わるものとして、一番嬉しいお言葉です。きっと次回は出展されるのではないでしょうか!
今回いろいろな方にインタビューをしましたが、OMMFについて悪い印象を話す方は一人もいませんでした。来場者が刺激を受けて次のイベントを企画したり、作品をつくって次のMaker Faireに出展するのはMaker Faireの醍醐味だと思っています。「また来たい!」ではなく「今度は出展したい!」と思わせるのは運営スタッフと出展者さんがものづくりの楽しさを伝えているからだと思います。
スタッフの語るOMMF
会場を運営するスタッフさんにもお話を聞いてみました。
スタッフA 「楽器に興味があるんですけど、どんな初心者でも70点くらいの喜びが得られるような作品が多くて、プロフェッショナルになるまでに時間がかかるものに下駄をはかせてくれるのがテクノロジーなんだな、と思いました。」
確かにOMMFは音楽系の作品が多く、老若男女問わず色々な方がちょっと変わった楽器の演奏を体験されているのが印象的でした。テクノロジーについて考える機会になっているのもいいですね。
スタッフB(IAMASの学生)「来場者にIAMASに興味がある人が多いので話しやすいです。普段使っている自分の学び舎に多くの人がきて、みんなテクノロジーが好きなんだな、と感じるくらい盛り上がっていて、スタッフの立場からしても頑張らなきゃな、と刺激をもらいます。参加者も笑顔の人が多いのでこういう場は大事なんだな、と思います。」
来場者と積極的にコミュニケーションをとっている様子が伺えました。OMMFはIAMASや周辺地域の学生スタッフさんが多いので、スタッフさんと気軽に話せるのも魅力の一つかもしれません。本当に笑顔の多い場所でした!
スタッフC 「出展者に常連さんがすごく多いです。毎回アップデートされていらっしゃるのでそこがすごいです。」
何度もスタッフとして参加されているということですよね。OMMFは隔年開催されているので、2年ごとに再会とアップデートを楽しめるというのがとてもいいです。筆者も前回ファンになった出展者が数組いらして、2年間の試行錯誤について色々とお話ししました!
スタッフさんが運営はもちろん、それぞれの作品をしっかり見ているのがいいイベントの所以だと思います。OMMFにまた来たい、また出展したいと思わせているのは出展者に寄り添ってくれるスタッフさんがいるからこそですね。
地域とOMMF
OMMFは無料で来場できることから、地元の方がふらっと遊びに来れるのがよいな、と思いました。実際におじいちゃんおばあちゃんと親子3世代で来ている方も見かけ、ものづくりを見ながら普段と違った家族のコミュニケーションができる場としてもいいな、と感じます。
東海地方の学生さんや企業、有志団体の出展も多いですし、他の地方からの遠征組も多いので地域経済にも貢献しているのではないでしょうか?
今回はJR東海 東海道本線の車両内に一車両につき一枚OMMF2024の中吊り広告が掲示されたということで、それを見て遊びに来た方もいらしたかもしれません。大垣駅のバス乗り場にもOMMF2024のバナーがついていて、街をあげて歓迎してくれているような気分でした。
来場者から出展者になったり、スタッフになったり、色々な関わり方ができるMaker Faire。大垣ならではの土地と会場ソフトピアジャパンセンタービルを生かしてOMMFならではの文化が醸成されているのではないか、と感じました。そういえば今回のテーマは「つくることから、はじめよう。もの/あそび/ぶんか」でした。あそびに来たと思ったらものをつくる側になって、ぶんかの一部になっている。2日間の盛り上がりがつぎの2年につながって、またみんなをワクワクさせる2日間につながっていくのでしょう。